コミッションの適正価格の決め方:あなたのイラスト、安売りしていませんか?
はじめに:価格設定はクリエイターの永遠の悩み
「自分の絵に値段をつけるなんておこがましい…」 「高く設定したら誰も依頼してくれないのでは…」
初めてコミッション(有償依頼)を受け付けようとした時、誰もがぶつかる壁が「価格設定」です。自信がないあまり、一枚数千円という安すぎる価格で受けてしまい、時給換算すると数百円…という「やりがい搾取」状態に陥ってしまうクリエイターは後を絶ちません。
本記事では、あなたの技術に見合った「適正価格」を論理的に算出するための考え方を解説します。
考え方1:「時給換算」から逆算する
最も基本かつ確実なのが、自分がそのイラストを描き上げるまでにかかる時間(作業時間)から価格を割り出す方法です。
アルバイトの最低賃金(時給1,000円強)を基準に考えてみましょう。クリエイティブな専門技術を提供しているのですから、本来であれば時給1,500円〜2,000円以上を目標にしたいところですが、まずは最低賃金の「時給1,000円」をボトムライン(最低ライン)として計算します。
計算例:1枚のイラストにかかる時間
- 構想・ラフ:2時間
- 線画:3時間
- 着彩・仕上げ:5時間
- クライアントとのやり取り(Skeb以外の場合):1時間
- 合計作業時間:11時間
11時間 × 時給1,000円 = 11,000円
もしあなたが1枚のイラストを描くのに10時間かかるのであれば、10,000円未満で引き受けるべきではありません。それは技術の安売りであり、長期的にモチベーションを維持できなくなります。
考え方2:「手数料」を上乗せして考える(超重要)
適正価格を算出した後に絶対に忘れてはならないのが、**「プラットフォームに支払うシステム手数料」**の存在です。
クライアントが支払った金額がそのままあなたの口座に入るわけではありません。例えば、ココナラで依頼を受けた場合、手数料は約22%です。
あなたが「手元に10,000円残したい(手取り10,000円)」と考えた場合、価格を10,000円に設定してしまうと、手取りは7,800円になってしまいます。
手数料を考慮した価格設定の計算式
目標手取り額 ÷ (1 - 手数料率) = 設定すべき販売価格
- Skeb(手数料約10%と仮定)の場合: 10,000円 ÷ (1 - 0.10) = 約 11,111円(最低でも12,000円で設定すべき)
- ココナラ(手数料22%)の場合: 10,000円 ÷ (1 - 0.22) = 約 12,820円(最低でも13,000円で設定すべき)
このように、利用するプラットフォームの手数料率によって、同じ「手取り1万円」を得るための設定価格は大きく異なります。
考え方3:相場と需要による調整
時給換算と手数料の計算が終わったら、最後に市場の相場とあなたの現在の需要(フォロワー数など)を加味して微調整を行います。
- 依頼が来すぎて捌ききれない場合: 価格が安すぎるサインです。依頼が減るまで徐々に(1,000円〜2,000円ずつ)値上げをしましょう。値上げをして依頼数が減っても、単価が上がっていれば結果的に「少ない作業時間で同じ金額」を稼げるようになります。
- 全く依頼が来ない場合: すぐに値下げをするのではなく、まずはサンプル画像(ポートフォリオ)の質を上げる、アピールする文章を変えるなど、見せ方の工夫から始めましょう。安易な値下げは自分のブランド価値を下げてしまいます。
まとめ:あなたの技術には価値がある
「趣味の延長だから安くていい」と思うかもしれませんが、お金を受け取って要望通りに絵を描く以上、それは立派なプロの仕事です。適正な価格を受け取ることは、より良い機材を買ったり、資料を買ったりと、次の創作活動への投資に繋がります。
自分の手取り額を正確に把握し、自信を持って価格設定をするために、ぜひPochiToolの各プラットフォーム計算機を活用してください。あなたが「受け取りたい金額」から逆算して、正しい価格を設定する助けになるはずです。